再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「だってメリーがいてくれなかったら私なんにも出来なかった。こんなになるまで頑張ってくれて本当にありがとう、メリー」
するとメリーはとても嬉しそうに笑った。
「良かったのです~」
「だから、大好きなお花いっぱい食べて、ゆっくり休んで、早く元気に」
メリーは目をつむっていた。
「メリー?」
「……」
答えはない。
「メリー」
そのふわふわの身体をいつものように撫でながら呼びかけるけれど、何の反応もない。
いつも日が沈んで眠ったときには気持ちよさそうに鼻提灯を出しているのに、今は呼吸すらしていないように見えて。
「嘘でしょ……メリー!」
強く呼びかけてみても、ぴくりとも動いてくれない。
「コハル様?」
背後でローサの声がして、私は急いで振り返って彼女に詰め寄る。
「ローサどうしよう。メリーが!」
「コハル様、落ち着いてください」
「ねぇ、ローサ。妖精って、魔法を使いすぎるとどうなっちゃうの?」
「いえ。わたくしは妖精のことは何も……」
困り果てた様子でローサは続ける。
「妖精王様なら、お分かりになるかもしれませんが」
私は目を見開く。
――妖精王。
「エル!」