再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
――そして。
「えっ!?」
誰かの驚いた声が聞こえて、なんとかうっすらと目を開けて私は驚愕する。
ついさっきまでメリーを包んでいた光の中に『人』がいた。
目を瞑ったその人はエルのような中性的で綺麗な顔立ちをしていて、その柔らかそうな白銀の巻き毛を見て、まさかと思う。
光は次第に収まっていき、消えると同時にその人はゆっくりと目を開けた。
エルと似た翡翠色の瞳が私を見下ろして、その人は不思議そうに首を傾げた。
「コハルさま?」
その声はとてもよく耳に馴染んだもので、私は震える唇で訊ねる。
「メリー……?」
「はい?」
その人――どうやらメリーらしい、はパチパチと目を瞬いてもう一度可愛らしく小首を傾げた。