再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
ローサは確かに強い。けれど、それは人間相手の話で。
聖女である私には魔物や魔王、魔族に対抗できる力が備わっているけれど、ローサにはそれがない。
7年前、魔王に操られた竜帝は自国の民を、部下たちをも躊躇なく手にかけていた。
私はリューがローサを……そんな場面を見たくはない。
ローサもそれはわかっているはず。私の考えていることも、きっとお見通しだろう。
でも彼女は引き下がらなかった。
その場に片膝を着くと真剣な眼差しで私を見上げた。
「コハル様をお守りすることが竜帝陛下から与えられたわたくしの役目。竜騎士として、わたくしは最期のときまでコハル様のお側におります」
「ローサ……でも」
「確かにわたくしにはコハル様や妖精王様のような特別な力はありません。しかし、コハル様の盾にはなれます」
「! 私はローサを盾になんて!」
「まぁまぁ」
私が声を荒げたところでエルの呑気な声が間に入ってきた。
「なんにしても仲間は多いに越したことはないよ、コハル」