再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「早速お役に立ててメリーは嬉しいのですコハルさま〜」
「ちょっ、メリー苦しっ」
ぎゅ~っとメリーに強く抱きしめられて思わず呻き声を上げていた。
(確かにいつも私がメリーにしてることだけど!)
こんなふうに誰かに抱き締められるなんてリュー以外初めてで、メリーだとわかっていてもどうにも落ち着かない。
そこでふと、頭に疑問が浮かんだ。
(そういえば、メリーって)
「ねぇ、君って男? それとも女? どっち」
カネラ王子が今まさに私が考えていた疑問を口にした。
そうなのだ。その綺麗な顔はやっぱり男の子にも女の子にも見える。
もこもこの愛らしい姿でいるときには性別なんて気にしたことはなかったのだけど……。
当のメリーはきょとんとした顔で答えた。
「わからないのです」
「は?」
「この子はまだ生まれて間もない妖精だからね」
そう続けたのは妖精王であるエルだ。
「性別が決まるのはもう少し先かな」
(そ、そういうものなんだ?)