再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
ローサとメリーが初めて見るその姿に息を呑んだのがわかった。
魔物と同じ禍々しい翼。冷たく硬質そうな肌。そして鮮血を思わせる真紅の瞳。魔物の血を引いているのだと一目見てわかる姿だ。
瞬間、あの夜の冷たい感触を思い出してしまって慌てて振り払う。今はそれどころではない。
「それと、一応ラクダたちの世話をお願いしてきた」
カネラ王子が水辺の方を振り返り言った。
水辺では私たちを乗せてきてくれたラクダたちが休んでいて、それを聞いて安心する。
すぐに戻れたらいいけれど、どうなるかわからない。
「それじゃあ、いこうか」
エルの声に頷き、私たちは一斉に空へと跳んだ。