再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
私が答えられずにいると、彼のその形の良い唇が自嘲気味に歪んだ。
「それとも、やはりそこの妖精王や砂漠の王子の方が良くなったか……?」
「ち、違います!」
強く否定する。でも彼は視線を落とし弱々しく続けた。
「俺は、やはりコハルには相応しくなかったか……」
「……っ!」
それが限界だった。
結局、私は自ら彼の胸に飛び込んでしまっていた。
「コハル……?」
彼の驚きが伝わってくる。
――私は一体何をやっているんだろう。
竜の姿となって彼が消えてしまった夜、次に会えたら強く抱きしめるのだと決めていたのに。
そもそも彼は、まんまと騙された私を助けようとしてくれただけなのに。
なのに私はまた、彼を傷つけてしまうところだった。
ありったけの力をこめて、彼の身体を抱きしめる。
「ごめんなさい。リュー!」
「コハル……」
「全部、誤解なんです。私にはリューだけです」
「本当か……?」
背中に彼の手が回って、確かめるように優しく抱きしめられる。