再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「誰が、あんたなんかの……っ」
私が7年前と同じ台詞を口にすると、声はククっと笑った。
《 しかし、オマエの居場所はもうどこにも無いのではないか? 》
「え?」
《 妖精王も、砂漠の王子も、傍にいた者らも皆死んだ。オマエのせいでな 》
「っ、」
《 竜帝のせいで元いた世界にも戻れず、これからどうするつもりだ? 》
「それ、は……」
……そうだ。
私はこれからどうすればいいのだろう。
この世界で、どう生きていけばいいのだろう。
『 余が、オマエに居場所をやろう 』
「!」
ふいに魔王の気配を強く感じて全身が総毛立った。
カツン、カツン、とこちらに近づいてくる足音。
逃げたいのに、身体が金縛りにあったように動かない。
――そして。
『 久しいな。聖女よ 』
闇から姿を現したのは、忘れもしない。
人間離れした美しさと、圧倒的な強いオーラを放つ『魔界の王』。
「魔王……っ」
腰まである長い髪を揺らし私の前までやってきた奴は、恐ろしい血の眼でこちらを見下ろし、にぃと嗤った。
『 オマエを、ずぅっと待っておったわ 』