再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
『 だから余のモノになれ、聖女よ 』
だから今は、私に愛を教えてくれた彼を。
私をずっと待っていてくれた彼を。
私をずっと呼んでくれていた彼を。
(リューを、愛したい……!)
「いや! 私は、リューじゃなきゃ嫌なの!」
伸びてきた手が私に触れた、その瞬間だった。
『 !? 』
キィンっというような高い音と共に、その手がはじかれた。
『 なっ、なんだ!? 』
(え?)
魔王が己の手を掴み苦悶の表情を浮かべていた。
見れば、その手が爛れたように溶けかかっていて驚く。
『 オマエ、一体何をした!? 』
わからない。私は何もしていない。聖女の力も使っていないはず。
なのに身体が……お腹のあたりが、とても熱い……?
(なに……?)
私が震える手でそこに触れると、魔王は目を剥いた。
『 ま、まさかオマエ、既に竜帝の子を宿しておるのか……!? 』
(え?)
私はもう一度、自分のお腹を見つめる。
――竜帝の、子……?
(リューの子供が、私のお腹に……?)