再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「煩くなくていい」
「……メリーと、昔何かあったんですか?」
思い切って訊くと、リューは料理を口に運ぶ手を止め目を瞬いた。
「ああ……いや、そいつと特に何があったわけではない。ただ、そいつら妖精と俺たちは昔から相性が悪い。それだけだ」
「相性……」
確かにメリーはリューにというより『竜人族』に対して悪い印象を持っている様子だった。
(昔、竜人族と妖精との間に何かあったのかな……?)
明日メリーが起きたら訊いてみようと思いながら、水を口に含んだそのときだ。
「まあ、夜行性でなくて良かった」
「?」
「夜までコハルとの仲を邪魔されてはかなわんからな」
「んぐふっ!?」
危うく盛大に水を吹いてしまうところだった。
でも代わりに水が変なところに入ってしまい咳き込んでいると、控えていたメイドさんがすぐさまナプキンを持ってきてくれた。
「す、すみません、ありがとうございます……っ」
「大丈夫か? コハル」
「大丈夫、です」
リューも心配そうにこちらを見ていて、私は全然大丈夫じゃないですと思いながら苦笑した。