再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
……どうやらそれほど怒ってはいないようでホっとする。
と、彼は私を見て優しく微笑んだ。
「おはよう、コハル。よく眠れたか?」
「あ、はい」
本当はあまり寝た気がしないけれどそう答えると、リューは満足そうに頷いた。
「よし、それでは支度をしてまずは朝食だ」
言いながらリューはベッドから下りて分厚いカーテンを開けた。
一気に部屋の中が明るくなって、瞬間目がくらむ。
でも、その大きな窓の向こうには絶景が広がっていて、私は思わずそちらへ駆け寄っていた。
「綺麗……!」
昨日このお城に着いたときにはもう暗くて景色など全く見えなかったけれど、この竜の国の全貌が見渡せた。
すぐ眼下には広大な森、その向こうにはこの国の首都である竜の都、そして更にずっと向こうには海も見えた。
「まぁ、花の国には劣りますけどね」
「メリー……」
私の腕の中でふんと鼻を鳴らしたメリーを小さく窘める。
「この国の皆がコハルを歓迎している」
「え?」