再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
と、そのときトントンとノックの音が聞こえた。
廊下の方の扉からだ。
「あ、はい!」
「失礼いたします」
扉を開け入ってきたのは昨日のメイドさんたちだった。
彼女たちは扉の前に一列に並ぶと深く頭を下げた。
「コハル様、おはようございます。朝のお支度に参りました」
「あ……おはようございます。よろしくお願いします」
私も同じように頭を下げ挨拶をした。
ワゴンに用意されていたお湯で洗顔を済ませると、彼女たちはまた私の着替えを手伝ってくれた。
私はその中で一番歳が近そうな、おそらくリーダー的立場の子に声をかけてみることにした。
柔らかそうな栗毛をきちんとお団子にした真面目そうな子だ。
「毎回ごめんなさい。ドレスの着方、早く覚えますので」
すると、彼女は驚いたように手を止め私を見た。
「とんでもございません。これがわたくしたちの仕事ですので」
「でも、毎回全部やってもらうのは申し訳なくて……」
「コハル様は我が国をお救いくださった聖女様。そんなコハル様のお世話をさせていただくことがわたくしどもの誇りであり喜びなのです」
他の子たちも一斉に頷いてくれる。