再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

第13話


 朝食はパンをメインにスープとサラダが用意されていた。
 昨夜のような量はなくて少しほっとしながら、私はそれを美味しくいただいた。
 食後に紅茶を飲んでいる間、執事のセレストさんが今日の予定を淡々と読み上げていく。
 やはり今日はたくさんの人がこの城に挨拶にやって来るようだ。

 でも、それより私は先ほどのことが気にかかり、リューとここで働いている人たちとの様子をちらちらと観察していた。
 この場にいる人たちはセレストさん含め皆ベテランなのだろうか、隙がないというか、皆テキパキと卒なく仕事をこなしていて、特にリューのことを恐れているような感じは見られなかった。
 ただ、ひとつ気付いたことがあった。

(リュー、全然笑わないんだな)

 私の前では笑ったり、照れたり、ふてくされたりと、あんなに色々な表情を見せてくれるのに、皆の前では基本キリっとした顔をしている。
 彼の中でちゃんとオンとオフの切り替えが出来ているということなのかもしれないけれど。
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