再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
第14話
「その庭師さんは今どこに?」
「おそらく庭園かと思いますが」
「ありがとう! メリー行ってみよう!」
メリーが嬉しそうにソファから飛び上がる。が、ローサが慌てたように言った。
「コハル様はこれからご公務がございますので」
「あ、あぁ、そっか……」
そうだ。この後リューと一緒にお客様を何人もお迎えしなければならないのだ。
メリーはしょんぼりとした顔でまたソファの端っこに下り小さくなってしまった。
(人見知りするメリーに、ひとりで行っておいでとは言えないしなぁ)
どうしたものかと考えていると。
「わ、わたしでよろしければ、庭師に聞いてまいりますが」
そう声を上げてくれたのは、先ほどのアマリーという女の子だった。
オレンジに近い明るい髪の、おそらく15,6歳くらいの可愛らしい子だ。
「彼とは何度か話したことがありますので」
「そうなの? そうしたら、お願いしてもいいかな……?」
「はい!」
彼女は嬉しそうに顔を赤らめ頷いてくれた。
ローサもそんな彼女に微笑みかける。
「アマリー、頼みましたよ」
「はい! それでは早速行ってまいります!」
そうして彼女は一礼しパタパタと部屋を出て行った。
「メリー、もう少し待っててね」
「はい~」
ソファからそんな力ない声が返ってきた。