再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「俺の無責任な発言のせいで……本当にすまなかった」
そうして深く頭を下げた彼に、私は改めて訊いてみる。
「……アマリーは、どうなりますか?」
メリーから全て聞いたと言うなら、きっと彼女の名ももう知っているだろう。
「先ほどの件は不問にするようにとセレストに伝えた。あいつも了承してくれた」
それを聞いて、今度こそ良かったと胸を撫でおろす。
お礼を言おうとして。
「だから、ここを出ていくなんて言わないでくれ」
頭を垂れ小さくそう続けた彼を見て、私は先ほど自分が放った言葉を思い出した。
――私は即刻この城から出ていきます!
(あー……)
酷く落ち込んだ様子の彼が、なんだか怒られて耳を伏せた大型犬のように見えてきてチクチクと罪悪感を覚える。
私はシーツから出て彼の前に正座する。
「アマリーのこと、ありがとうございます。それと……私も、大人げないことを言ってしまって、すみませんでした」
「じゃあ、」
ゆっくりと顔を上げた彼に、私は笑顔で言う。
「はい。出て行ったりしません」
「!」
彼の金の瞳が大きく見開かれて、次の瞬間には強く抱きしめられていた。