再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「ちょ……っ!?」
「良かった……!」
安堵の声と共にぎゅーっと抱きしめられて、私は小さく息を吐いてその背中を優しく撫でた。
「……そういえば、メリーは?」
こんなところを見られたらまた怒って突っ込んできそうだと思ったのだけれど。
「ぎゃんぎゃんと煩いので締め出した。隣の部屋にいるとは思うが」
「そ、そうですか」
想像が出来てしまって苦笑する。
――なら。
「リュー、訊きたいことがあるんですが」
私が言うと彼は身体を離し、私をまっすぐに見つめた。
「なんだ? なんでも言ってくれ」
「その……もしかしたらなんですが、リューはお父さんのような竜帝陛下になろうと少し無理してませんか?」
「え……」
彼がきょとんとした顔をした。
「なんというか……皆の前で竜帝らしくあろうと頑張っているというか」
7年前、皇子はお父さんに強い憧れを抱いていた。
そして今、彼の竜帝としての姿と私の前で見せてくれる姿はあまりに違う。
だから、もしかして無理をしているのではと思ったのだ。
――と。
「それ、は……っ」
彼の顔がみるみる赤くなっていくのを間近で見て、私は目を丸くする。