再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

 でも、それを聞いたリューは不安げに眉をひそめた。

「俺は、皆に好かれていないのか?」
「えっ! いえ、あの、……少しだけ怖がられているような印象を受けたので」
「怖がられて……」

 流石に出過ぎたことを言ってしまっただろうかと焦る。
 と、彼は私を見つめた。

「コハルも、俺が怖いか?」

 私はぶんぶんと首を振る。

「いえ、私は全然怖いとは思いません。……その、とても優しくしてくださるので」

(それに、こんなに子供っぽい一面を見ちゃってるし)

 こっそり心の中でそう付け加えてから続ける。

「なので、その優しさを他の皆の前でも出していくのはどうかなと。――あ、勿論リューが嫌だったら」
「いや……優しさ、か……」

 口元に手を当て、彼はうーむと考え込んでしまった。

 私はそんな彼を見てほっとする。
 そんなことお前に指図されたくはない、と突っぱねられることだってありえた。

 ――そして、私は軽い気持ちで訊いてしまった。

「そういえば、お父さんは今どこに?」

 ぴくりと、リューの手が震えた。
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