再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「ううん、私こそさっきは驚かせてしまって本当にごめんなさい」
「いいえ! コハル様はなにも……全ては私の不注意が招いたこと。それなのに……っ」
俯き肩を震わせた彼女に、私は笑顔で言う。
「これからもよろしくね、アマリー」
「! ……はい、コハル様っ!」
彼女は顔を上げ、涙を拭ってから可愛らしい笑顔を見せてくれた。
「アマリー、良かったわね」
そう優しく言ったのは後ろに控えていたローサだ。
「これからも共にコハル様に誠心誠意お仕えしましょう」
「はい!」
そうして微笑んだローサに、私は早速お願いする。
「ローサ、もう一度着替えと髪を整えてもらってもいい?」
「え……ですが、もうお身体は良いのですか?」
「うん、メリーのお蔭でもう全然平気!」
腕の中のメリーを見下ろし言うと、メリーは得意げな顔をした。
――先ほどリューにも今日はこのまま休めと言われたのだけど、朝セレストさんから聞いた話では午後も何かと予定が詰まっていた。
私のせいで、これ以上スケジュールを狂わせたくはない。
「だから、お願いします。アマリーも」
するとローサもアマリーも笑顔で「はい」と頷いてくれた。
でもそのときだ。
「――あ、陛下!」
ローサが慌てたように廊下の脇に避け頭を下げた。