再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

第19話


 ……ゆっくりと意識が浮上していく。
 瞼の向こうがもう明るい。朝だ。でもまだ目を開けたくない。
 そろそろスマホのアラームが大音量で鳴り響く頃だろう。
 嫌だな、まだ起きたくないなぁ、そう思いながら寝返りを打って、ドンと何かにぶつかった。

(……?)

 なんだろうと重い瞼を上げて。

「おはよう、コハル」
「!?」

 眩しい笑顔がすぐ目の前にあって一気に覚醒する。

(――そ、そうだ。ここは異世界だった!)

 昨日は私のほうが先に目覚めたからまだ良かったけれど、こうして寝起きの顔を見られるのは相当に恥ずかしい。
 というか、やっぱり寝覚めに彼の整った顔はすこぶる心臓に良くない。
 いつかはこれに慣れる日が来るのだろうか……?

「お、おはようございます」

 なんとなく顔を伏せながらのそりと起き上がると、そんな私を見て彼はふっと笑った。

「コハル、寝癖が酷いことになっているぞ」
「!?」
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