再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
シーツを被って寝たせいか完全に爆発している髪の毛を慌てて手櫛で整えていると、ちゅっといきなり額にキスをされた。
「かわいいから平気だ」
「~~っ、朝からそういうの禁止です!」
真っ赤になっているだろう顔で私が抗議したそのときだ。
「コハルさま~! おはようございます~~!」
バーンっと内扉を開けメリーが寝室に飛び込んできた。
そしてそのままリュー目掛けて突っ込んでいく。
「コハルさまから今すぐ離れろキーーック!!」
が、今日のリューはそれをなんなくかわし得意げに鼻を鳴らした。
「ふん、何度もやられると思うなよ」
「ふんぬーーーーっ!!」
メリーは悔しそうに空中で器用に地団太を踏んでから私の胸にぼふっと飛び込んできた。
「コハルさま~そいつマジでムカつきます~~ベッコベコにしてやりたいぃ~~っ!」
「ははは……はぁ」
――こうして、この世界での新生活3日目が騒がしく幕を開けた。