再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


 朝食後のティータイム、昨日と同様にセレストさんがスケジュールを淡々と読み上げていく。
 今日もリューと私に挨拶に訪れる人たちは多いようだ。

「……以上になります」
「わかった。コハルは午前中は好きに過ごしてくれ」

 リューに言われて、瞬間ぽかんとしてしまった。
 午前中何やら大事な会議があるようだけれど、私は出席しなくていいみたいだ。

「わかりました」

 そう真面目に返事をしながら、正直心が浮き立った。
 どうしよう。何をして過ごそうか。

(でもまずは、メリーと庭師さんに会いにいこう!)


 そして、リューとそれぞれ自室に戻る時にセレストさんと話すチャンスは訪れた。
 リューが「また後でな」と言って自室へと入っていき、それに続こうとしたセレストさんに私は思い切って声をかけた。

「あ、あの、セレストさん!」
「はい」

 彼はすぐにこちらを振り向いてくれた。
 その隙の無い立ち姿にやはり少しの緊張を覚える。

「昨日は、アマリーの件聞き入れてくださってありがとうございました」

 そう言って頭を下げると、彼は何度か目を瞬いてから首を振った。

「いえ、彼女も反省しているようですし」

 そして彼は続けた。
< 94 / 435 >

この作品をシェア

pagetop