再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「妖精の、メリー様でしたか。喜んでくださいましたか?」
「え? あ、はい! 今日もさっきアマリーがお花を持ってきてくれて、すごく美味しそうに食べていました」
そう答えると彼の表情がほんの僅か緩んだ気がした。
「それなら良かったです。……それでは」
丁寧に会釈をしてセレストさんはリューの部屋へと入っていった。
それを見送って。
(見た目ほど、怖い人じゃないのかも……?)
また少し、心が浮き立った。
「メリー! 庭師さんのとこ一緒に行こう!」
部屋に入り、ソファでごろごろしていたメリーにそう声をかける。
すると案の定メリーは嫌そうな顔をした。
「えぇ~~」
「えぇ~じゃないよ。ちゃんとお花のお礼言いにいかなきゃ。美味しいお花これからも食べたいでしょう?」
見れば、朝こんもりと花瓶に飾られていたお花はもう半分くらい減ってしまっていた。
「ですけど~」
「アマリーが来てくれたら案内してもらうからね」
「はぁ~い」
渋々と返事をしたメリーに苦笑して、私はアマリーたちが来てくれるのを待った。