再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「ベルデさん。昨日も今日も、綺麗なお花をたくさんありがとうございました」
そうしてもう一度頭を下げると、彼は慌てたように手を振ってからはにかむように笑った。
「いえ! アマリーから聞きましたが、喜んでいただけたようで何よりです」
ふんわりとした優しい雰囲気の人だと思った。
これならメリーも人見知りを発揮せずに話せるのではないだろうか。
「ほら、メリーもお礼言って」
背中に隠れていたメリーにそう声をかけると、メリーは少しだけ顔を出し、
「……ありがとうございました。美味しかったのです」
それだけ言ってまたぴゃっと隠れてしまった。
ベルデさんはそんなメリーの様子にぱちぱちと目を瞬いていて、私は苦笑する。
「すみません、この子人見知りが酷くて」
「あ、いえ」
すると彼はメリーの視線の高さに合わせるように腰をかがめ、人懐っこい笑みを浮かべた。
「喜んでいただけて良かったです。明日もご用意いたしますね。――あ、そうだ。メリー様、特に好きな花はありますか?」
ベルデさんが訊ねると、メリーは私の背中に隠れたままぼそっと答えた。
「青色のお花が一番美味しかったのです」