再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。
「青色……」
そう繰り返して、ベルデさんは花壇の方へと足を向ける。
そしてスズランに似た青色の可愛らしい花を指差した。
「こちらですか?」
メリーはまた少し顔を出して頷いた。
「……そうです。それ、花の国にもありました」
するとベルデさんは嬉しそうな顔をした。
「そうですそうです。これは花の国から取り寄せたんですよ」
「あ、そうなんですね」
ティーアが治める『花の国』を思い出しながら私が言うと、彼は頷いた。
「はい。僕、実は『花の国』出身で、この『竜の国』もあんなふうに花であふれた国にしたいと庭師を始めたんです」
「そうだったの」
そう驚くように言ったのはアマリーだ。
「花であふれた……素敵ですね」
彼の言う通り、この国も花の国のように色とりどりの花々であふれたらどんなに素敵だろう。
「はい。この竜の国にはまだ魔王に支配されていた頃の名残があちこちに見られますし、まずはこの城からと思っているのですが……」
でもそこでベルデさんの笑顔が少し曇ってしまった。