偽る恋のはじめかた
「実は・・・・・・、雨宮さんに腕を触られたんだ。4回も!」
「・・・・・・は?」
「桐生課長って面白いですね。って肩もぽんっと触られたんだ。あと、沢山笑ってくれて・・・・・・」
「・・・・・・」
「彼女、俺の目をじーっと見て目が合うと、ニコッと笑ってくれたり」
「・・・・・・」
「これって、雨宮さんも俺のことが好きってことだよね?」
「違いますね」
桐生課長が発する言葉を遮るように食い気味に言葉に被せた。簡単な男のお手本のようで、呆れて溜息も出なかった。