偽る恋のはじめかた
11 デート
⋆⸜꙳⸝⋆
落ち込む気持ちを引きずった私は、集中して見るわけでもないのにテレビをつけて、ぼーっと眺めていた。
不思議なことに、ぼーっとしているだけで1時間があっという間に溶けてしまった。
せっかくの休みなのに、このままだと廃人になって一瞬で終わってしまう。
「・・・・・・とりあえず買い物でも行こうかな」
誰もいない部屋でポツリと呟いた。
このまま部屋で落ち込み続けるよりも、外に出て気分転換でもしようと思った。
時間の指定もないので、急ぐ必要はなくのそのそと化粧に取り掛かる。
まぁ、買い物だけだし化粧なんて適当でいいや。
いつもの化粧にかける力の2割程度で、化粧を施した。
〜♬
スマホの着信音が鳴った。
日曜日に誰だろう・・・・・・?
桐生課長
この四文字がスマホの画面に表示されているのが、目に映るとドクンと心臓が跳ねた。