偽る恋のはじめかた





カルボナーラか、和風パスタか・・・・・・。
メニュー表の写真で見るとどちらも美味しそうで捨てがたい。


メニュー表と睨めっこをしては、決めきれずに悩んでいた。


「迷ってるの?」

「・・・・・・はい。カルボナーラか和風パスタか」

「その2つ頼んで、シェアしようか」

「いいんですか?」

「くくっ、いいよ」


思わず声が高らかになってしまった私に、柔らかな笑顔を向ける。

側から見たら私達はどんな関係に見えるだろうか。

上司と部下?

それとも・・・・・・、
カップルに見えたりするのだろうか。

そんなことを思ってみたけど、口に出せるわけもなく、私の心の中で消化された。

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