偽る恋のはじめかた





「・・・・・・これ、私にですか?」

「そうだよ?」




渡された紙袋を手に持ち固まる私を、不思議そうに首を傾げて見ている。



桐生課長は最初から、私へのプレゼントを選ぶつもりだったなんて・・・・——。


思い返せば、派手目のピアスを選んだ時の微妙な顔や、その他の気になった行動にも、合点がつく。



勘違いしていたのは、私だった。



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