偽る恋のはじめかた

「終わりって･･････？」

「２人はもう両思いなんですよ？こうして私達が会う理由はなくなったってことです」


私は言いながらも、まるで自分に言い聞かせているようだった。


「そ、そうだよな･･････終わり、か」

「･･････よかったですね」



何か言いたそうな表情を浮かべてる彼に
精一杯の作り笑いを浮かべてみせたけど、口角が引き攣って上手く笑えない。


桐生課長と過ごす時間は、あたたかくてずっと続けばいいのに、と密かに願っていた。


その願いは、誰にも知られることなく終わり迎える。