偽る恋のはじめかた
桐生課長の手を振り払って以来、同じ部署なので顔は合わせるけど話をしていない。
なので、なんだか気まずい。
こんなに見張られている理由も気になったけど、目の前には山積みの仕事がある。
・・・・・・今は仕事に集中しよう。
ブ——っブ——っ・・・・・・
気合いを入れ直して仕事に取り掛かろうとした時だった。デスクに置いてあるスマホが振動していた。
……誰だろう?
震えるスマホを手に取った。