偽る恋のはじめかた




触れていた唇から少し顔を離すと吐息を感じる距離で言葉を交わす。

互いの腰に手をまわして、右手はを絡めて握る。互いの吐息の熱を感じれる距離。



「ねえ?桐生課長、」

「んっ?」

「今更だけど、書類保管倉庫で告白って……あんまりないですよね」

「……今更だけど、もっとロマンチックな雰囲気なところで、伝えたかったな」

「ふふっ、私は嬉しかったんで、場所とかどうでもいいですけどね?」

「……あー、もう。かわいいこと言わないで?我慢できなくなるから…」

「え、我慢できるんですか?この状況で…」

「……」






返事の代わりに降りてきたのは、熱い吐息と唇だった。



「ごめん、もう、無理だ・・・・・・ベッド行こっ」

「え、ちょ、っ、まって……」


唇が離れると、耳元に顔を寄せて囁かれる。甘く響く声に愛しさと身体が熱くなる。





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