偽る恋のはじめかた




桐生課長との関係を追及されたら、隠し通せるかな?と不安だったけれど、取り越し苦労だったようで、白井さんは必要以上に絡んでくることはなかった。


……私には。





「桐生課長、この資料の作り方教えてください」
「桐生課長、ランチ連れてってください」
「桐生課長、今度飲みに連れてってください」


白井さんは、他の社員の目など気にするそぶりもなく、分かりやすく桐生課長を誘っている。


白井さんは童顔な顔つきに似合わない豊満なバストの持ち主だ。
童顔に巨乳。男の好きが詰まった女の子。

そんな子が桐生課長を誘っている事実に、心にモヤモヤが広がって収まる気配はない。

私は完全に嫉妬していた。




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