偽る恋のはじめかた
⋆⸜꙳⸝⋆
私は自分のデスクに座り、まず今日の仕事内容を確認する。これは毎日の日課だ。
急ぎの仕事はポストイットにメモをして、忘れないようにパソコンに貼り付ける。
いつものように急ぎの仕事をメモしていると、声を掛けられた。
「椎名さん、ちょっといい?」
桐生課長だった。口調は以前より、だいぶ穏やかに感じた。
———就業開始まで10分前
始業時間前に呼び出されたということは、
あれの話だろうな・・・・・。