偽る恋のはじめかた


「では、言っていきますね。

 ①見下すような態度はやめる。
 ②鼻で笑わない。
 ③ため息つかない。
 ④相手の気持ちを考える。
 ⑤自分の価値観押し付けない。
 ⑥不機嫌感を出さない。
 ⑦・・・・・・・・・・・・」




「———ちょっと待った!」


7番を言おうとしたところで、止められた。
不可解そうな顔をしている。



「・・・・・まだ、あるのか?」

「あと、30個あります」

「さ、さんじゅう?そ、そんなにあるのか・・・。
ちょっと待ってくれ。俺のメンタルが今崩れ落ちそうで・・・・・」


桐生課長は顔面が蒼白していた。落ち着かせるために目の前にあったコップに注がれた水を、ゴクゴクと、必死に飲んでいる。




< 53 / 261 >

この作品をシェア

pagetop