御曹司様、私、別の人を好きなまま貴方の妻になります
同じ家での生活はドキドキです

「花鈴の考えや企みなんて全部お見通しだよ」


ビクッ。


「なんだ夢か・・・」

半分夢ではないのだけど。

見慣れない部屋。

夫婦になるなら寝室は同じかと思ったが、どうやら玲二さんは私がお兄ちゃんのことを好きなのを知っているらしく、寝室は別にしてくれた。

「はぁ」

昨日、もう好きなことがバレているなら、そのままお兄ちゃんの出世をお願いしようとした。

でも、そうしたら結婚した意味がなくなる。

しかも断られるに決まっているし、私が鳴宮財閥を恨んでいることまでバレてしまう。

なら内側から私が力をつけて、お兄ちゃんのために動くしかない。

だって、今更婚約を破棄することなど出来ないのだから。

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