真夏に咲いた奇跡の恋花火
いや、さすがにそれは考えすぎか。
隙間時間に勉強する習慣は小学生の頃からで、今に始まったことではない。
乃木くんとは3年間同じクラスだったし、多分教室で何回か見かけるうちに印象に残っただけだろう。
早口で言葉を並べて、湧き上がってきた考えを消し去った。
「あの、乃木くん。昨日の、別れ際のことなんだけど」
昇降口に向かいながら話を切り出す。
「結局あれって、どういう意味だったの?」
「あれ? 食べかすのこと?」
「いや、お祭りのこと。皆吉さんが行くなら行こうかなって言ってたよね? なんで、私なのかなぁ……って」
ずっと気になっていた、お祭りに行く理由。
本当は涼しい室内で聞きたいんだけど、クラスメイトの目があるから話しかけづらいんだよね。
休み時間は寝てるから無理だし、放課後もバスの時間があるから引き止められない。
校内の中で人目が少ない場所といったら、せいぜい裏門付近か校舎裏。チャンスは今しかない。
隙間時間に勉強する習慣は小学生の頃からで、今に始まったことではない。
乃木くんとは3年間同じクラスだったし、多分教室で何回か見かけるうちに印象に残っただけだろう。
早口で言葉を並べて、湧き上がってきた考えを消し去った。
「あの、乃木くん。昨日の、別れ際のことなんだけど」
昇降口に向かいながら話を切り出す。
「結局あれって、どういう意味だったの?」
「あれ? 食べかすのこと?」
「いや、お祭りのこと。皆吉さんが行くなら行こうかなって言ってたよね? なんで、私なのかなぁ……って」
ずっと気になっていた、お祭りに行く理由。
本当は涼しい室内で聞きたいんだけど、クラスメイトの目があるから話しかけづらいんだよね。
休み時間は寝てるから無理だし、放課後もバスの時間があるから引き止められない。
校内の中で人目が少ない場所といったら、せいぜい裏門付近か校舎裏。チャンスは今しかない。