真夏に咲いた奇跡の恋花火
千葉さんの提案により、4人で浴衣を買いに行くことに。

それで今、ショッピングモール内のソファーに座って待っているところ。


遅延とか渋滞を考えて早めに出たけれど……この通り、来ているのはまだ私だけ。

30分前はちょっと早かったかな……。



【オッケー♪ 私達ワンピース着てるから、もし見つけたら手振ってくれると助かりますっ!】

【ちなみに私はピンクのパーカーワンピで、ありさはベージュのお嬢様ワンピでーす!】



すると、グループチャットに新しい通知が。


徐々に人が増えてくる休日の午後にはとてもありがたい情報。

場所は伝えてるけど、すぐ見つけられるように私も知らせておこう。



「皆吉、さん?」



文字を打っていたその時、後ろから恐る恐る名前を呼ばれた。



「良かったぁ。人違いだったらどうしようかと思った。髪下ろしてると雰囲気違うね! 可愛い!」

「いやそんな。千葉さんこそ、ポニーテール、すごく似合ってるよ」



謙遜しつつ、こっそりと全身をなめるように見る。
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