真夏に咲いた奇跡の恋花火
「今まで顔や声が好きって言う人がほとんどだったけど、断る姿にときめいた人は初めてだよ。皆吉さんって変わった人だったんだね」
照れていたのもつかの間、クスッと笑って再び焼きそばを口に入れた。
……まぁ、確かに長年同じ台詞を耳にしてたら、よっぽど一途な人でない限り、告白しても望みはないなと諦めそうだよね。
だけど、私以上に変わってるのは……。
「そういう乃木くんは? 私のどこに魅力を感じたの?」
「……ん!」
口を閉じたまま、箸を持つ手で自分の手元を指差している。
えっ、焼きそば……?
「1年の時に、調理実習あったの覚えてる?」
「覚えてるよ。同じ班だったよね」
記憶をたどり、当時を思い浮かべる。
今から3年前。中学に入って初めての調理実習が行われた。
季節は食欲の秋。色んな味を楽しみましょうと、班ごとに違うものを作ることになり、私達の班は焼きそばを任された。
「手際いいし、アドバイスはわかりやすいし、おまけに料理の腕はピカイチ。前から一目置いてたんだけど、それで完全に落ちてさ。だから今日、また一緒に食べられて嬉しいよ」
「それは……どうもありがとう」
照れていたのもつかの間、クスッと笑って再び焼きそばを口に入れた。
……まぁ、確かに長年同じ台詞を耳にしてたら、よっぽど一途な人でない限り、告白しても望みはないなと諦めそうだよね。
だけど、私以上に変わってるのは……。
「そういう乃木くんは? 私のどこに魅力を感じたの?」
「……ん!」
口を閉じたまま、箸を持つ手で自分の手元を指差している。
えっ、焼きそば……?
「1年の時に、調理実習あったの覚えてる?」
「覚えてるよ。同じ班だったよね」
記憶をたどり、当時を思い浮かべる。
今から3年前。中学に入って初めての調理実習が行われた。
季節は食欲の秋。色んな味を楽しみましょうと、班ごとに違うものを作ることになり、私達の班は焼きそばを任された。
「手際いいし、アドバイスはわかりやすいし、おまけに料理の腕はピカイチ。前から一目置いてたんだけど、それで完全に落ちてさ。だから今日、また一緒に食べられて嬉しいよ」
「それは……どうもありがとう」