瀬野先輩は高嶺の花を溺愛してもし足りない。
たまらず後ろに下がる。


「俺は付き合う相手としては結構優良物件な方だと思うよ」


「今は恋愛にはさほど関心がないもので…」


「そんなこと言わずにさ、1か月だけでも付き合ってみたら考え変わるかもしれないし?」


とうとう入り口の壁際に追い詰められてしまった。


顔のすぐ隣にダンッと手が突かれる。


逃げられないし、屋上には誰もいない。


ただでさえ、人と長時間話すという慣れないことをしているのにこの状況。


こういう場面を切り抜けられる術を他の女の子なら持っているのかもしれない。


というか本当にどうしよう!?
< 5 / 21 >

この作品をシェア

pagetop