夕陽を映すあなたの瞳
第十七章 昴の影の応援隊
 「きゃー、ついに来た!嬉しい!楽しみ!」

 すっかり秋も深まった10月下旬。
 心は、ポストに届いた綺麗なカードを見ながら笑みをこぼす。

 拝啓
 紅葉の鮮やかな季節になりました
 皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと お慶び申し上げます
 このたび
 私たちは結婚式を挙げる運びとなりました
 つきましては 末長くご懇情をいただきたく
 心ばかりの祝宴を催したいと存じます
 ご多用中まことに恐縮ではございますが
 ぜひご出席賜りますようお願い申し上げます
 敬具

 2023年10月吉日
 桑田 恭平
 秋月 沙良

 「ひゃーー!名前が!お二人の名前が並んでる!」

 たったそれだけなのに、すでにニヤニヤが止まらない。

 カードを両手で持ったまま、ベッドの上をゴロゴロする。

 「早速、出席の返信ハガキ書こうーっと。あ、そうだ!」

 心は思い立って沙良にメッセージを送った。

 "沙良さーん!招待状届きました!素敵なカードをありがとうございます。もちろん出席させていただきます!今からもう楽しみでたまりません。返信ハガキ、送りますね。桑田さんにもよろしくお伝えください"

 すると、しばらくしてから返信が届く。

 "心ちゃーん!ありがとう!心ちゃんに式に来てもらえること、凄く嬉しいです。本当にありがとう!それまでに、また心ちゃんとランチに行きたいよー"

 「あー、確かに。私も沙良さんとランチに行きたい」

 心もそう返信し、早速二人で会う日を決めた。
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