夕陽を映すあなたの瞳
 「素敵ねー、海に浮かぶレストランなんて」
 「ええ。それにここ、シーフードがとっても美味しいですよ」
 「じゃあ、それにしましょ!」

 二人でシェアすることにし、何品か注文する。

 シーフードのグリルやパスタ、サラダなどを、綺麗な夜景を眺めながら楽しく味わう。

 「心ちゃん。ショー、とっても素敵だったわよ。キラッキラに輝いてた」
 「ありがとうございます!桑田さんもでしょ?」
 「ふふっ、まあね。ようやくちゃんと観られたの。昨日、観に行ってもいいかって聞いたら、黙って頷いてくれて」
 「そうなんですね。良かったー」

 すると沙良は、手を止めて口をつぐむ。
 どうしたのかと思っていると、沙良は真剣な表情で顔を上げた。

 「実はね、彼から頼まれたの。久住の様子を見てやってくれないかって」
 「え、桑田さんが?私の様子を?」
 「そう。彼、心ちゃんのこと凄く心配してて…。絶対ショックを受けてるはずなのに、逆にいつも以上に明るく振る舞ってる。かなり無理してるんじゃないかって」

 思いもよらない話に、心は驚いた。

 (桑田さん、そんなふうに私のこと心配してくれてたんだ…)

 胸がいっぱいになり、思わずうつむく。
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