夕陽を映すあなたの瞳
第二十一章 一年ぶりの同窓会
「片桐さん、ご無沙汰しています」
「こちらこそ。またお会い出来て光栄です。本日もご来店、誠にありがとうございます」
にこやかな片桐の変わらぬ笑顔に迎えられ、心達は4人席に案内される。
春の暖かさを感じられるようになってきた頃、心は愛理や昴、慎也と一緒に、例の同窓会のレストランに来ていた。
今年もまた同じ時期に同じ会場で同窓会を開くことが決まり、打ち合わせを兼ねて食事に来たのだった。
「では、今回も前回と同じ料金プランでよろしいでしょうか?お料理の内容は、前回とは出来る限り変えてご用意いたします」
「はい、よろしくお願いします」
打ち合わせはすんなりとまとまる。
今回の幹事は慎也と愛理、昴と心は"手伝う幹事"と、去年と入れ替わる立場で進めることになった。
美味しい料理を味わったあと、心と愛理はオープンテラスで写真を撮っている。
はしゃぐ女子二人を見ながら、慎也が昴に話しかけた。
「それで?随分時間が経ったけど、心とは二人で食事に行けたのか?」
「いや。でももういいんだ。告白出来たから」
「え?!じゃあ、つき合い始めたのか?」
「いや。俺が久住に好きだと伝えただけだ。別に返事を求めた訳じゃない」
は?と、慎也は思わず裏声になる
「好きだと伝えて、それで満足なのか?え、どういう心境だ?キスしたいとか、抱きしめたいとか思うのが普通だろ?」
昴はふっと笑って、心に目を向ける。
「俺は久住が笑顔でいてくれたらそれでいい。そして困った時は俺を頼って欲しい。それだけで充分なんだ」
「お前…。もはや仙人か?師匠どころか、仙人の域にまで達したのか?」
「ははっ、何だよそれ」
ビールを飲みながら、昴はもう一度心に目をやり、その笑顔に微笑んだ。
「こちらこそ。またお会い出来て光栄です。本日もご来店、誠にありがとうございます」
にこやかな片桐の変わらぬ笑顔に迎えられ、心達は4人席に案内される。
春の暖かさを感じられるようになってきた頃、心は愛理や昴、慎也と一緒に、例の同窓会のレストランに来ていた。
今年もまた同じ時期に同じ会場で同窓会を開くことが決まり、打ち合わせを兼ねて食事に来たのだった。
「では、今回も前回と同じ料金プランでよろしいでしょうか?お料理の内容は、前回とは出来る限り変えてご用意いたします」
「はい、よろしくお願いします」
打ち合わせはすんなりとまとまる。
今回の幹事は慎也と愛理、昴と心は"手伝う幹事"と、去年と入れ替わる立場で進めることになった。
美味しい料理を味わったあと、心と愛理はオープンテラスで写真を撮っている。
はしゃぐ女子二人を見ながら、慎也が昴に話しかけた。
「それで?随分時間が経ったけど、心とは二人で食事に行けたのか?」
「いや。でももういいんだ。告白出来たから」
「え?!じゃあ、つき合い始めたのか?」
「いや。俺が久住に好きだと伝えただけだ。別に返事を求めた訳じゃない」
は?と、慎也は思わず裏声になる
「好きだと伝えて、それで満足なのか?え、どういう心境だ?キスしたいとか、抱きしめたいとか思うのが普通だろ?」
昴はふっと笑って、心に目を向ける。
「俺は久住が笑顔でいてくれたらそれでいい。そして困った時は俺を頼って欲しい。それだけで充分なんだ」
「お前…。もはや仙人か?師匠どころか、仙人の域にまで達したのか?」
「ははっ、何だよそれ」
ビールを飲みながら、昴はもう一度心に目をやり、その笑顔に微笑んだ。