夕陽を映すあなたの瞳
第五章 夕陽に癒やされて
木曜日の午後。
心は昴の自宅マンションに向かっていた。
(えーっと、駅から徒歩3分のタワーマンション…って、あれのこと?!)
改札を出て前を見ると、ドーンと大きなタワーがそびえ立っている。
(え、オフィスビルかな?だって、まさかこんなに大きなタワーがマンションだなんて…)
だが他にそれらしい建物も見当たらず、心はとにかくそのタワーのエントランスに入ってみた。
ホテルのロビーのような空間を恐る恐る進むと、革張りのソファーで本を読んでいる昴がいた。
「い、伊吹くん?」
昴はふと顔を上げて心を見ると、本を閉じて立ち上がり、にこやかにこちらに向かって来る。
「久住、わざわざ来てもらって悪いな。道、分かったか?迷わなかったか?」
「あー、うん。道は迷わなかったけど、違う意味で迷った」
「ん?どういうこと?」
だって…と、心は声を潜める。
「こんな所に本当に人が住んでるの?」
「え、俺、住んでるけど?」
「住めるの?オフィスのフロアがあるだけじゃないの?」
「いや、普通の居住スペースだよ」
「本当に?」
まだ疑わしそうに辺りを見回す心に、昴は、とにかく部屋へ行こうとエレベーターに向かった。
心は昴の自宅マンションに向かっていた。
(えーっと、駅から徒歩3分のタワーマンション…って、あれのこと?!)
改札を出て前を見ると、ドーンと大きなタワーがそびえ立っている。
(え、オフィスビルかな?だって、まさかこんなに大きなタワーがマンションだなんて…)
だが他にそれらしい建物も見当たらず、心はとにかくそのタワーのエントランスに入ってみた。
ホテルのロビーのような空間を恐る恐る進むと、革張りのソファーで本を読んでいる昴がいた。
「い、伊吹くん?」
昴はふと顔を上げて心を見ると、本を閉じて立ち上がり、にこやかにこちらに向かって来る。
「久住、わざわざ来てもらって悪いな。道、分かったか?迷わなかったか?」
「あー、うん。道は迷わなかったけど、違う意味で迷った」
「ん?どういうこと?」
だって…と、心は声を潜める。
「こんな所に本当に人が住んでるの?」
「え、俺、住んでるけど?」
「住めるの?オフィスのフロアがあるだけじゃないの?」
「いや、普通の居住スペースだよ」
「本当に?」
まだ疑わしそうに辺りを見回す心に、昴は、とにかく部屋へ行こうとエレベーターに向かった。