夕陽を映すあなたの瞳
 開始から30分後に全員揃い、まずは河合先生がスピーチする。

 久しぶりに皆に会えて嬉しい、誘ってくれてありがとう!と最初こそ良かったが、あの頃のお前達は…と、数々の手こずったエピソードを語られる。

 そのうちに男子が、先生、結婚まだですかー?と聞き、先生はガックリと肩を落とした。

 当時20代だった先生も、今は30後半。
 今もまだ独身らしく、ここにいる女子が数人結婚していることを知ると、ええー?!と驚いていた。

 程よく場が盛り上がってきたところで、慎也がマイクを握ってビンゴ大会を始める。

 皆は、キャーキャー言いながら真剣に数字を見つめ、当たった人は景品を受け取って嬉しそうだった。

 「はい!じゃあ次の景品はこれ。心の職場、マリーンワールドのペアチケットでーす!」

 わあ!と歓声が上がり、当たった香代は、ありがとう、彼氏と行くね!と心にチケットを掲げてみせた。

 笑顔で頷く心を、隣の昴が見つめる。

 (マリーンワールドで働いてるのか。じゃあ、話しにくそうにしてたのはなぜなんだろう?)

 見当がつかずに首をひねる。
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