夕陽を映すあなたの瞳
第二章 同窓会の幹事
 次の日。
 仕事の昼休みに、心はスマートフォンを確認する。

 今朝、直接昴に
 "お久しぶりです。久住です。幹事、私は引き受けるけど、伊吹くんは大丈夫?お仕事忙しいなら、無理せず断ってね"
 と送っておいたのだ。

 (あ、返事が来てる)

 心は早速メッセージを開いた。

 "伊吹です。久しぶり!返信遅くなってごめん。俺も幹事引き受けます。よろしくな"

 (え、伊吹くん引き受けるの?忙しそうなのに平気かな…)

 そう思いつつ、グループの方にもメッセージの新着がいくつかあり、開いてみる。

 最初に昴のメッセージがあった。

 "遅くなってごめん!みんな久しぶり。俺も幹事引き受けるよ。あんまり自信ないけど…よろしく"

 そして慎也と皆のメッセージ。

 "おー、昴!お疲れ。幹事ありがとな!俺も手伝うから、なんでもこき使ってくれ"
 "昴ー、相変わらず忙しそうだな。無理すんなよ"
 "そうだぞ。慎也を遠慮なく顎で使え"

 女の子達が、笑いのスタンプを押している。

 心も、ふふっと笑ってから、
 "伊吹くん、慎也くん、よろしくね!"
 と送った。

 昴の個別メッセージにも返信する。

 "良かった!伊吹くんが一緒にやってくれるなら心強いです。伊吹くん、忙しそうだから、出来るだけ私がやるようにするね。詳しいことは、また改めて"

 送信マークをタップする。

 (でも幹事って、まず初めに何からやればいいんだろう?)

 うーん…と首をひねりながら、心はお弁当を片付けて立ち上がり、休憩室を出た。
< 6 / 140 >

この作品をシェア

pagetop