夕陽を映すあなたの瞳
 「久住、これ」

 やがてゆっくり身体を離すと、昴は心にスマートフォンの写真を見せた。

 そこに写っていたのは、弾けるような笑顔の心とイルカ達。

 心が息を呑んで見つめていると、昴はさらに何枚も写真を見せた。

 クララに微笑みかける心の横顔。

 高くジャンプするルークを、右手を挙げて誇らしげに見つめるトレーナー達。

 美しいジャンプを披露する佐伯とルーク。

 互いに笑顔でたたえ合う心や桑田。

 どの写真も、キラキラと輝くような瞬間を閉じ込めていた。

 心はさらに涙を溢れさせる。

 「初めて見た、ショーの写真。みんな素敵だね。イルカ達もかっこいいね。私…こんなに幸せそうなんだね」
 「ああ。本当に素晴らしかった。この写真に写っているものは全て真実だよ」
 「うん」

 涙で言葉を詰まらせる心を、昴はまた優しく抱きしめた。
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