夕陽を映すあなたの瞳
 「ルーク!クララ、チャーリー!」

 次の日。
 出勤すると、心はまず最初にプールに向かった。

 呼ばれてやって来たルーク達を、心は愛おしそうになでる。

 「みんな、ありがとうね。私を助けてくれて、本当にありがとう!みんなのこと大好きよ」

 涙ぐみながら、微笑んで想いを伝えた。

 イルカ達も、キュキューとかわいい声で返事をしてくれる。

 「みんなと一緒に過ごせる時間は、私の宝物だよ。何があっても、一生あなた達のことは忘れない。私に幸せをくれてありがとう」

 時間も忘れてずっとそうしていると、ふいに後ろから、久住と声がした。

 「桑田さん!」

 立ち上がって心は礼を言う。

 「あの、色々とありがとうございました」
 「いや。もう大丈夫なのか?」
 「はい。昨日も1日ゆっくりさせてもらったので、もう大丈夫です」
 「そうか。でもまだ無理はするな。あと、水分補給はこまめにしろよ」
 「はい」

 そして二人の間に妙な空気が流れる。
 沙良のことを話したい心と、沙良の話題は出すなよと目で牽制する桑田。

 「じゃあ、朝礼行くぞ」
 「はい」

 仕方なく黙ってついて行きながら、心は桑田の背中を見て、ニヤニヤと頬を緩めた。
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