夕陽を映すあなたの瞳
 茶碗やお箸やお皿にグラスなど、次々とカゴに入れるサラを、心は別のコーナーに案内する。

 「こういう突っ張り棒にカフェカーテンを掛けたりも出来るわよ」

 心がやってみせると、Wow !とまた驚いて、カゴに入れる。

 小物入れや和風の髪飾りなど、サラは目を輝かせて次々と手に取り、いよいよカゴは1つでは足りなくなった。

 昴が両手にカゴを持ち、女子二人の後ろをついて行く。

 サラは、裁縫道具や布が並ぶコーナーで、心にこれは何?と聞いてきた。

 「え、これ?なんだろう…。工作のキットみたいね」

 和柄の布で作った小さな花の写真があり、裏を見ると作り方の説明も書いてある。

 針は使わず、小さな正方形の布を三角に折っていくだけの、割と簡単そうなキットだった。

 「つまみ細工か…。Japanese traditional craft みたいよ」

 そう言うとサラは、興味深そうにパッケージを眺める。

 難しいかな?と聞かれ、心は、そうでもなさそうと答える。

 「やってみたら?Why don't you try it? If necessary, I will help you」

 サラはにっこり笑って頷き、カゴに入れた。
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