「ガールズピンポン!」
第二章「新しい卓球部メンバー」
 
 卓球部の入部届を出してから、初めての部活動だ。見学して以来行くので、ワクワクとドキドキが混ざり合っていた。月曜日なので、今日は三階にある多目的室で卓球台を出して、必要なボールと網をセットした。私は周りの様子を見て、足を出した。
「すいません。入部した如月栞(きさらぎしおり)です。よろしくお願いします」
 私は礼をして、先輩たちに言う。
「如月ちゃんね。ちょっと待っててね」
 卓球部メンバーのひとりだと思われる女性が話しかけてきた。
 私は返事をして、先輩の指示通り待った。
「あれ? 先輩たちいないのかな」
 見学者の中にいた幼馴染のひとりが独り言のように言った。
「…さっき、どっか行ったよ」
 私はそっけない返事をした。もうひとりの幼馴染は黙っていた。
 幼馴染ふたり組は先輩を探しにどこかに消えた。
 私は先輩のことを待っていると、幼馴染ふたり組が先輩と共に戻ってきた。
 先輩の隣には本を読んでいるクラスメイトと背すじを伸ばす子と前を見つめる子がいた。 
 卓球部の見学者で来ていた人たちだ。
「じゃあ、入部した六名の皆さん。この度は入部してくれて、ありがとう。とても嬉しいです。卓球部に六名来てくれたなんて、入部創設以来、初めてだからね」
卓球部の先輩が入部した六名に笑顔で答えてくれた。
「自己紹介でしたね。部長の横道葵(よこみちあおい)です。三年生は私含めて三名で、二年生も同じく三名。二年生は少ししたら来るから。まず、一年生から自己紹介してもらっていい? 右端の子から」
 葵先輩は多目的室の床に座るように言ったので、立っていた一年生は床に座った。
「はい、私は江口桃(えぐちもも)です。スポーツはあまりできないですが入部しました。よろしくお願いします」
 桃はしっかりとした発言をして礼を言ってから、床に座った。
「……小堤さあや(こつづみさあや)です。…よろしくお願いします」
 さあやは部長から目をそらして、小さい声で言った。
「寺嶋ミカ(てらしまみか)です。本を読んで、卓球に興味を持ち、入部しました」
 ミカは冷静的に真っ直ぐ部長に伝えていた。
「えーと、斎藤夏海(さいとうなつみ)です。よ、よろしくお願いします」
 夏海は笑顔を浮かべて、声を発した。
「森川恵子(もりかわけいこ)です。卓球は小学校の頃、少しやっていました。よろしくお願いします」
 恵子は顔を上げながら部長の目を見て、言った。
「私は如月栞です。頑張ります。よろしくお願いします」
 私は深々と礼をして言った。
「ありがとう。みんな個性的で面白い人たちが集まった気がするよ。あ、ちょうどいい所に二年生来たから、あと紹介するね。おーい、三人とも今ちょっといい?」
 部長は手をあげて、こっち、こっちと手招きしていた。
「はい!」
 二年生はラケットとシューズを置いてから、部長の元へかけよった。
「この子たち、今日から入部する六人。三人とも自己紹介して」
 部長の隣に二年生が並んだ。部長に言われると、二年生はすぐ声を発した。
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