「ガールズピンポン!」
「私は、ペン型がいいです」
 私はポツリと呟いた。だけど、先生に止められた。
「如月さん。ペンでもいいけどね。ペン型はやれること限られているし、両側にラバーをつけて、両方使いこなしていけるけど。難しいのが現状。卓球界でもペン型は少ないし、だいたい勝っているのはシェイク型のラケットが多い。それでも、ペンにするの?」
 ペン型のラケットにすると、先生はペン型のラケットの使用が少ないことを伝えた。
 私はそれでもペン型のラケットがよかった。小学校の時、卓球クラブに入り、遊び程度でやっていた。なんとなくラケットを持っていた時から、ペン型の持ち方をしていた。
 シェイク型に今からやり直しても、私らしくないというか、なにかが違う。
「…はい、私はペン型のラケットにします」
 私は先生の話を聞いても、意思は変わらなかった。
「分かりました。シェイク型は五人で。ラケットの型は決まったことだし、今月中には卓球専門店に行って、買ってきてください。店員さんに聞けば分かりますから。あの店員さんは詳しいので、聞けば大丈夫です。今日は球拾いと素振りのやり方を教えます」
先生は右手にラケットを持って頭の上まであげ、素振りをした。私たちは、返事をした。
 球拾いの仕方から学んだ。球拾いはかごを使って、球を拾っていく。球拾いかごは意外に腰をかがめないと取れない。ワンプッシュして、簡単にできるのはあるが、使いこなしていて買う気がないらしい。どっちでもいいけど。
 先輩たちが打った球を拾い続けた。
 先生はラケット六本を渡して、素振りのやり方を身体で教えてくれた。
 出来なくても、先生が一年生の手などを持って、一時間ほど指導してもらった。
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