「ガールズピンポン!」
「だいたい、みんな素振り出来てきたね。毎日やって、身体を慣らせていくから。これも卓球する前に必要なことだから、手は抜かないでやって下さい。今日はここまでにします。全員集合~」
 先生は一年生の素振りを見終わった後、先輩たちに集合をかけた。
「今日はこれで終わります。引き続き、明日も頑張っていきましょう」
 先生は両腕を腰につけて、みんなに笑顔を浮かべて言い放った。
「一年生もお疲れ様。明日は体育館で練習だからね!」
 先生は右手を上にあげて、励ましの声を言い、立ち去った。
 一年生・先輩たちはすかさず頭を下げた。
 先生が行った後、私はため息をついた。他の一年生たちはかばんに水筒を入れて帰った。   
 ひとこともだれとも話さずに部活は終わった。明日も明後日もある。
 部活動初日はあっという間だった。
 幼馴染ふたり組は話していて、私を含む人たちは黙って、部活に参加している。
 今後、どうなるのか私は不安であった。鞄を肩にかけて、階段をおりて帰った。
 馴染めない部活動にまだ居心地の悪い教室。なんとかやっていくしかない。
 私は一生懸命頑張り、三週間が過ぎていった。
「……ふぅ」
 私は汗を拭った。他の一年生を見た。他の一年生は、素振りと先輩たちが打った球を腰を曲げて拾って繰り返す。前よりも素振りは慣れてきて、コツを掴んできた。  
 部活動初日を終えた次の日、同じクラスのミカに声をかけた。
「あのさ、もし、良かったら一緒に行かない? 部活」
 私は授業以外本を読み続けているので、話しかけてほしくないのかそれとも話したくないかの区別がつかなかった。声をかけると、ミカは本を閉じてから鞄に入れ、首で頷いた。
「あ、部活行くの?」
 私はミカの顔を見ながら、聞いた。すると、首を動かして頷いていた。
 話しかけ続けると、声を発するようになった。
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